「スポーツライター平野貴也の『千字一景』」第78回:目先の勝利と、その先の勝利と(尚志)

“ホットな”「サッカー人」をクローズアップ。
プリンスリーグでは、5-0と大勝している。力の差があるにも関わらず、想定外の苦戦を強いられたと言える。
理由は、主力3選手を先発から外して控えに置き、後半から起用した。結果、前半に攻めあぐねてスコアレスの時間が長くなり、後半から起用した。
尚志の仲村浩二監督は「彼ら(3人)がいればリズムを取れるのは、分かっていました。でも、警告や負傷も含めて、何かあったときのために……と次のことも考えて、こういう場面を経験させたかったんですけど、全然ダメでした。勝ち上がる中で、必ず難しいゲームが出てくるとは思っていたけど、これは酷過ぎるんじゃないかという感じ」と落胆を隠さなかった。
目指すステージが高くなればなるほど、選手層の厚みが必要になる。相手を侮った起用法という見方もされるだろうが、この舞台で戦えることを信じ、期待に応える姿を見たかったというところだろう。先発起用された選手も、個々に武器を持っている。
ただ、緊張感の高いゲームで主導権を最初からつかむ積極性が見られなかった。仲村監督は「パスが回らず、まったく相手が動いていない。ちょっと情けなかったですね。」
あの3人を使えば、中も外も攻撃できるのは分かっているけど、ほかの選手がもうちょっと奮起してくれないと。これから、いろいろと起きることも踏まえてねと先発起用した選手に苦言を呈した。それも、単なるダメ出しではない。
彼らが経験を積み、先発争いに加わって来なければ、全国大会の上位進出は難しい。起用選手の変更は、目的を達成するために、避けて通れない挑戦なのだ。取材の終わりに、決勝戦に向けた改善点を聞かれると、仲村監督は自虐的に答えた。
「改善点? スタートメンバーですね。やってみてどうだったか? ここでやっちゃいけないなと思いました(笑)監督の判断ミスです。」
なめていたわけではないですけど、この場面でやれなかったなと この試合では失敗だった。しかし、勝って反省できることは、幸せだ。また、次のチャンスがやって来る。
■執筆者紹介:平野貴也「1979年生まれ。東京都出身。専修大卒業後、スポーツナビで編集記者。」
当初は1か月のアルバイト契約だったが、最終的には社員となり計6年半居座った。2008年に独立し、フリーライターとして育成年代のサッカーを中心に取材。ゲキサカでは、2012年から全国自衛隊サッカーのレポートも始めた。
「熱い試合」以外は興味なし」。

 
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「スポーツライター平野貴也の『千字一景』」第77回不測(学法石川)

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